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~a thin line between junks and masterpieces~

2019年12月5日木曜日

驚異と怪異〜想像界の生きものたち展へ

先月、ポスターに誘われ、関西へ。
「驚異と怪異――想像界の生きものたち」
国立民族学博物館

モノレールで最寄駅に着くと、視界に飛び込む太陽の塔。
そう、ここは万博記念公園敷地内にある国立民族学博物館。
ナマで初めて見る”太陽の塔”



国立民族学博物館は万博記念公園かなり奥地にひっそりあります。

いろんな言語で記されたミュージアムマップ。
プリミティブなものには敵いません。



広い館内いっぱいに、あるわあるわのインパクト強目のオブジェたち。
入り口から個性的なやつに歓迎されます。







明るくて楽観的な国民性が反映されている
メキシコの造形アートの特別展示。 

水分補給を十分してから、お目当ての特別展「驚異と怪異」の会場へと。
怖いもの見たさか、オカルト好きが多いのか、平日なのに、たくさんの来場者。

人のイマジネーションが作り出した妖怪や霊、奇獣、珍獣のオンパレード。
棺に入ったカッパや人魚さんミイラなど、いたらいいなあ的フシギオブジェのてんこ盛り。
見世物小屋的雰囲気に見入ったり、その造形美に圧倒されたり。

 youtubeにあった国立民族学博物館の「驚異と怪異」の動画は
以下のリンクから。


半日かけて眺めていたら、疲労と空腹に見舞われ、
急いで向かったミュンヘン(神戸)では丁度、ビアフェスティバル開催中。
帰りの新幹線を待つ間、駅で謎のピアノマンに遭遇。
生ライブで送り出してくれて、
短い滞在ながら、濃い旅ができました。

素敵なポスターに釘付け。


さて、我がローカルもめっきり冬モードです。
葉っぱが散り切る前にあちこちウロウロ。





1999年暮れから20年も経ってしもたと つぶやきながら
枯れ葉を踏みしめるこの頃。






2019年10月26日土曜日

Patricia W Turnerの手のひらサイズの絵本



Henry Hare, Painter and Decorator
(Brown Burrows Books Series1951)
(絵)Patricia W Turner
(文)Dorothy Clewes


急に寒くなったので慌てて衣替え、
プラス部屋の大掃除をしました。
メインは本の整理。本棚を増やし、並べていくと
大きな絵本の陰に埋もれていた
小さな パトリシア ターナーさんの絵本を数冊、発見!
イギリスの蚤の市で一冊見つけて以来、
その温かなタッチに魅了されました。

大自然の中に暮らす小動物の姿を描いた絵本といえば、
ベアトリクス ポターの
ピーターラビットのシリーズなどが思い浮かびますが、
それらとは違い、あまり知られることもない
ターナーさんの絵本、、


初めて手にしたターナーさんの絵本は
Henry Hare, Painter and Decorator。
森の仲間と平和に暮らすヘンリーが、
ズル賢い赤キツネのせいで
ピンチにさらされながらも
危機を乗り越えていく、、というシンプルなお話。
動物の擬人化ぶりや 
細部まで丁寧な描写にうっとりします。


食べ物がなく、落ち込んでいる赤キツネ
殺伐とした部屋の中でも、オシャレなスカーフ巻いてる
伊達男ぶりを見せてます。
何気ない暮らしぶりで各キャラクターの性格を
ビジュアルで物語るセンスは秀逸。




こちらは「野うさぎのヘンリーの地震」というタイトル。
地震のない英国で、なぜだか大きな揺れが発生。
のちに、赤キツネの仕業とわかります。


 Henry Hare's Earthquake
(Brown Burrows Books)
1950








この野ねずみの仕草がたまらない

タイトルの Henry Hare, Painter and Decoratorから察すると
野うさぎのヘンリー君はインテリア装飾の職人さん。
この可愛い部屋は、ヘンリー君による
デコレーションなのかもしれません。

その他の野うさぎのヘンリーのシリーズは
Henry Hare's Boxing Match、
Henry Hare and the Kidnapping of Selina 
Squirrel(共にBrown Burrows Books Series)
全部で五冊あります。

野うさぎのヘンリー君以外のシリーズも
古本屋で見つけました。


Tim Thinks of Something
(作)Ella Monckton(Warne)1964

こちらは野ネズミのテイムの生活を描いた絵本。



雪で覆われた真冬の森を手製のソリで
横断する野ネズミの兄弟の話。
こちらもシリーズとして、数冊出版されています。


ちょっと変わり種の絵本を一つ。
本を拡げると6つのシーンが現れる仕組みになった
立体カルーセル本と呼ばれる絵本。

Goldilocks and Three Bears”   ”三匹のクマ”
(Folding Books ltd1960)
(絵)Patricia W Turner




各場面、奥行きを感じる凝った構造になっていて、
お芝居を観てるような気分が楽しめ、
オブジェとして眺めても心が和みます。


2019年9月13日金曜日

イラストの仕事ーBESSの家

イラストレーションの仕事は、
季節を反映し、すっかり秋モード。

かっこいいログハウスで。おなじみのBESSの家、
チラシ広告のイラストレーション
リニューアルで数点描き足しました。




広々とした空間と木のぬくもりが
素敵な造りで のびのび暮らせそう。



自分で薪割りして、、



その薪で暖をとる、い〜な



エアコンや電気ストーブと違って、薪ストーブは
部屋全体をあっためてくれそう、、冬の憧れアイテムです。


現在、9月中旬なのに、まだ続く酷暑。
早く涼しくなってほしいけど、
そうなると一気に年末の寒さにつながりそ。




2019年6月13日木曜日

オトフリート プロイスラーの本


オトフリート プロイスラー(Otfried Preußler 1923ー2013)は
ドイツを代表するドイツ児童文学者。
『大どろぼうホッツェンプロッツ』 シリーズ が日本でも有名でしょうか。



『大どろぼうホッツェンプロッツ』 偕成社 中村浩三 (訳)
フランツ・ヨーゼフ・トリップ





一旦読み出すと本の世界にぐいぐい引き込まれること、請け合いで、
世界中で、長く愛され続けているのも頷けます。

このシリーズ以外も知りたくて幾つか手に入れました。
どれもこれも本当に面白い!

教職につきながら執筆活動も続け、
初めて書籍化された作品がこの本だそう。
小さい水の精 徳間書店 訳 はたさわゆうこ 
ウィニー・ガイラー

主人公の水の精くんは、好奇心の塊でちょっぴり生意気。
水の中で楽しく暮らしてるのに、
外の世界が気になって仕方ありません。
彼の目に映る人間たちの姿が、滑稽なところも笑えます。




こちらは可愛いオバケが主人公の本
小さいおばけ 徳間書店 
訳 はたさわゆうこ
フランツ・ヨーゼフ・トリップ
古城に住みついた夜のオバケが昼間の様子を見たいと願い、
その夢を叶えたばっかりに起こる悲喜劇。


フランツ・ヨーゼフ・トリップによる
とても素敵な挿絵がふんだんに見られます。





こちらは127歳のヒヨッコ魔女が主人公
『小さい魔女』
訳 大塚 勇三  学研プラス
 ウィニー・ガイラー


周りの魔女にガキ扱いされ、見返すために独学で魔術を猛特訓。
その間に起こる様々な事件を描いてます。



ウィニー・ガイラーさん描く小さい魔女の暮らしぶりがとても可愛くて
インテリアやファッションもイケてます。


日本未公開のようですが、実写の映画にもなってます。
”THE LITTLE WITCH ”
(原題は”DIE KLEINE HEXE ”)

英語版のDVD
観ました。
本のイメージに近い
キュートな魔女が出てきます。



2019年4月4日木曜日

花見2019


今年も桜の開花、ピーク迎えてます。
窓から眺めるその景色だけでも大満足。
おまけに昨日からウグイスがどこからか、やってきて
独唱で一層、春の雰囲気を盛り上げてくれてます。




自然の美しさに感謝の毎日です。



イラストレーションファイル2019 

4月に入り、新年度が始まってしまいました。

イラストレーション ファイル2019 
上巻(玄光社)に掲載させてもらってます。


イラストレーション ファイル2019 
上巻(玄光社)





今年は、イラストレーションファイルwebにも参加します。


2019年3月2日土曜日

ハズキルーペと『ヘンゼルとグレーテル』

視力は子供の頃からずっと良かったけれど、年齢には勝てません。
新聞など、細かい文字が読み辛い状態。
老眼ってやつです。

以前は、見ようと意識しなくても
勝手に目にものが入ってきていたので
案外、見てるようで ”何も見てない”ことに気がつきました。

見えにくくなると焦点絞って懸命に見ようとするので
以前より ”見ている”かもしれません。

”何かを失うと何か別のものを得る” 
身をもって実感。

そんな私、ハズキルーペを遅ればせながら手にしました。
かけると今までのふんわりファジーな視界が急に
クリアになってびっくり。

さて、
先日グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』を読んでいて、
気になったことがあります。
甘いお菓子の家で誘惑され、魔女に捕まった
ヘンゼル(兄)とグレーテル(妹)。



魔女は、グレーテルを奴隷に、ヘンゼルは太らせてから食てしまおうと、
檻に入れてご馳走を与え続けたのですが、





太ってきたら、魔女に食べられると察して
拾った骨を指に見せかけ、
痩せたふりをしていた賢いヘンゼル。

これが通用したのは、魔女が極度の老眼だったから。
もし魔女がハズキルーペみたいなものをかけてたら 
すぐに見破られて、別の展開になっていたでしょう。



意外や、この魔女には似合ってたりして、、


しかしながら
世の中、便利になると、ファンタジーは
生まれにくくなるのかな。






絵本『ヘンゼルとグレーテル』は世界中で多種、
出版されていますが
お気に入りはコレです。



Grim’s Hansel and Gretel( Kaye& Ward ltd,UK 1981)
(絵)Antonella Bollinger-Savelli




注目すべきは、ご馳走を与え続けられたヘンゼルのルックスの変化!

ビフォー






アフター


とても同一人物には見えない!
短期間に一体、何を食べさせていたのか!?


優しいパパの元に帰れてハッピーエンドだけど
その後ヘンゼルは減量し、元の姿に戻れたかは
ちょっと気になるところ。








2019年2月27日水曜日

現代の千手観音


数年前、電車内で通勤時間をフルに活用している女性が
向かいに座っていました。左手で携帯持ったまま、、








朝食







身だしなみ






メイクアップ









全て、完了。












結構揺れる電車内でのメイクは
千手観音並みの神わざでした。

アッパレ








2019年2月20日水曜日

絵本の中のアーネスト ボーグナイン

その昔、古本屋で10円くらいで買った絵本、
Old Mother Hubbard and Her Dog(ハバードおばあちゃんと愛犬)は、
ボロボロの本ながら、私にとっては、宝物の様な一冊。
英国の伝承わらべ唄、マザーグースの一節を絵本にしたもので、
その内容は、純真なハバードおばあちゃんとそれをあざ笑う様な 
生意気な犬の掛け合い漫才みたいな感じ、
お話全体、韻を踏みながら進んでいきます。
今風に読めばラップの歌の様にも聞こえてくるのが可笑しい。

Old Mother Hubbard and Her Dog
Penguin Books(1960)
Paul Galdone(絵)


例えば

She went to the baker's
  To buy him some bread;
  But when she came back
  The poor dog was dead.

日本語に訳すと<韻>の部分が損なわれますが、こんな感じでしょうか、

おばあちゃんがパン屋で
パンを犬のため買った。
だけど家に帰ると
犬は哀れ、死んでいた。


そういう言葉遊びはもちろんのこと、私にとって何が見どころかといえば
おばあちゃんが愛犬を喜ばそうと、
魚屋、帽子屋、理髪店、仕立屋、果物屋、靴屋など 村中のお店を訪ねて行くところ。
スーパーやデパートがない時代、各専門店には独特の雰囲気があって
楽しいタイムスリップが出来るから。







帽子屋



仕立屋



理髪店




靴屋

いつもこのページで手が止まります
なぜかといえば
このおじさんの顔が、、



拡大図


私にはどうしてもアーネスト ボーグナインにしか見えないから



こんな本もありました。
TheTwo Old Bachelors(年取った2人の独身貴族 ) 
he Bodley Head(1975)
Edward Lear(話)

Paul Galdone(絵)






 拡大図


またしてもボーグナイン的なおじさま二人組の珍道中の絵本。 
ガルドンさんはボーグナインのファンだったのかもしれません。


そんなこんなで、懐かしさの余り『ポセイドンアドベンチャー』の
DVDを引っ張り出し
アーネスト ボーグナインに浸った今日この頃です。



『ポセイドンアドベンチャー』映画パンフレットから〜



70代映画、万歳!