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~a thin line between junks and masterpieces~

2016年2月28日日曜日

絵本 Grandma's house



Grandma's house
Alice Melvin
Tate Publishing, 2015



エジンバラ出身の絵本作家アリス メルヴィンの”Grandma's house”
タイトルが示す様に作者が よく立ち寄ったおばあちゃんちでの体験を題材にした絵本。





学校帰りにおばあちゃんちへと向かいます。
見所の一つはアリス(プラス読者も)を歓迎するかの様に半開きの状態になっているドア。


通常だとドアの部分に切り込みが入っていて開いたり閉めたりする方法をとりそうですが、
この絵本では、もっとシンプルな方法。

半開きのドアの横に開けた四角い空間(ダイカット)で表現してます


ここから隣の部屋がのぞいて見える様になっている。



シンプルながら洗練された方法で
おばあちゃんち探検ツアーにアリスと一緒に読者は導かれていきます





まず玄関のフックにコートを掛けて






キッチンで牛乳を飲み、







お気に入りの大きな壁時計を捲くネジを探すため
はしごを使って屋根裏部屋へのぼっていきます

折り畳んだ部分を広げると秘密基地のおでまし、



たどりつくのは沢山の宝が眠る屋根裏部屋






そこにはおばあちゃんが子供の頃遊んだオモチャや
想い出の品がひっそり置かれている

余談ですがイギリスには
"Cash in Attic"という、英国版”なんでも鑑定団”の様な私の大好きな
テレビ番組がありました。屋根裏部屋に眠る骨董品をオークションに
かけて一稼ぎという内容です。




いよいよ探検ツアーの終盤です。
ガラス張りの明るい部屋コンサバトリーにも
おばあちゃんの姿が見られないのでちょっと心配になってきます。



イギリスの一軒家にはこんな温室みたいなコンサバトリールームが時折あります。
ここで庭を眺めながらお茶したり,雨の日の読書にピッタリだな、、




やっとおばあちゃんの声が聞こえて一目散に庭へ出てみると、、、




そこにはアリスを驚かす為にお茶会の支度をするおばあちゃんと犬,猫、鳥の姿が!


めでたし、めでたし



この絵本の最後の言葉によると
アリスのおばあちゃんは裁縫、木彫り、銀細工、刺繍とあらゆる手芸が得意な人物だったそうで,
受け継いだDNAを駆使してこの絵本を作り出したことは、
おばあちゃんへの最大の愛情や尊敬の証しと言えるでしょう。


版元はテートパブリッシングというテートミュージアム系列の出版社で、
ここ数年絵本作りに力を入れているのが分かります。
でもわざわざ英国に行かずに日本のアマゾンでも購入可能です。



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