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~a thin line between junks and masterpieces~

2013年8月14日水曜日

strasbourg ストラスブールの旅

パリ東駅からTGVに乗って約2時間半,
ドイツとの国境ほど近いストラスブールまで週末を使って出かけました

ご覧の通り,絵本から抜け出した様なドイツ風の木組み型の家並みが
続く場所です。その領地をめぐってドイツ、フランス間で幾度の争いが
あったという過去が信じられない程、今ではのどかで美しい街。
世界中から人々がやってくる観光都市でもあると同時に
現在は欧州議会が開催される国際都市としても有名な場所です

この街をぐるりと囲むイル河沿いに主要な観光名所は集まっていて
レンタル自転車やトラム等交通手段は様々ですが
徒歩でのんびり歩きながら廻れるサイズです




今回の旅行の目的は、数々の名作絵本で知られる
 トミー・アンゲラー 1931年--- )の美術館
MUSEE TOMI UNGERERに行く事でしたが
それ以外にも沢山素敵な物が溢れていて、観光気分を満喫出来ました


第一日目、ランチ後直行した先は勿論、MUSEE TOMI UNGERER



MUSEE TOMI UNGERERの建物

常設展では約300点もの作品が展示されているそうです
絵本から広告ポスター、立体オブジェ、コレクション
スケッチ、大人向けのドローイング、コラージュ、
又、トミの作品や人生が映像でも展示されてます


ショップで売られていたZut ! という雑誌
一冊全体がトミー・アンゲラー の特集






ストラスブール出身だけあって
町のあちこちの本屋さんに飾られる
トミー・アンゲラー の絵本







ストラスブールの街にそびえ立つ
ノートルダム大聖堂
外部のみならずドーム型の内部びっしりの繊細な装飾に圧倒されます。
夏の夜には壮大な音響と共に、マジカルな照明が大聖堂に映し出されるイベントも有り




320以上のうねった階段を登って到着したトップからの眺め
赤茶色の屋根がびっしり並びます
写真ではわかりませんが 建物の屋根の瓦にあたる部分が
魚の鱗のような形をしていて、とてもユニーク

建築物のみならず食文化にもドイツ領だった名残りが見受けられます
プレッツェルも塩味だけでなく
バニラやチョコがかかった甘いバージョンもあり
その下に並ぶのがクグロフ、ブリオッシュのような焼き菓子



お菓子もケーキも美味しかった


名物料理は塩漬けキャベツとソーセージ等の煮込み料理シュークルート、
ホワイトソース味の薄焼きピザのタルトフランペ、
キリッと冷えたワインやビールにピッタリです




日曜日の広場ではアルザスの民族衣装を着た人々が
フォークダンスを披露してくれました

しかし日曜日は殆どのお店は閉まっていますので覚悟あれ

黒く大きなリボンがアルザスの女性の衣装のトレードマーク
\\


街のシンボルはコウノトリ
あちこちで見かけます







アルザス博物館

民芸、クラフト、フォークアート
期待以上の展示物の充実さにびっくり、かなり長居してしまいました
重厚な木材で出来ている博物館自体も
工芸美に溢れる芸術品そのもの

ストラスブールには他にも沢山の美術館があります


土曜日は骨董市や古書市も広場でゆるめに開催




古本2冊ゲット


イル川を周遊する観光ボート。
主要な観光名所はこのイル河沿いに点在するため
日本語ガイドを聞きつつ、ボートでの周遊はとても楽しめました


La Petite Franceープティットフランスと呼ばれる
エリアにはレストランやカフェも土産屋さんがびっしり並ぶ賑やかな所、

水辺に浮かぶ光景はまさに絵のように美しく
河沿いを散歩するだけで至福の時間が過ごせます



2013年8月5日月曜日

藤田嗣治のMaison Atelier Foujita


7月前半からフランスで暮らしています
いつもは時差ぼけにもならず、すぐ体が現地にあわせられるのに
今回はたった8時間の差が埋められず少々困りました、、
しかし1週間目にしてようやく体が現地モードになり一安心


さて、私の現在いる場所は、パリから電車で約40分南下した郊外の
ビレッジで花の都パリとは全く違うのどかで落ち着いた雰囲気です

一見、日本とは全く縁の無いローカル色の強いエリアなのですが
実は一カ所、私たち日本人にはゆかりのある場所があるんです

それはどこかというと
藤田嗣治(1988-1968)の終の住処となった
Maison Atelier Foujita
(メゾンアトリエフジタ)
晩年の6、7年を過ごした製作と暮らしの場所です

もっとも、私の暮らす場所からは車で約10分程かかるんですけどね、、
交通の便は良いとはいえない場所にあります



''日本人の美術家として初めて国際的な美術界と市場で成功を収めた藤田嗣治。
彼はまた、当時の男性には珍しく身の回りのものをことごとく
手作りし暮らしを彩った生活の芸術家でもありました。
裁縫、大工仕事、ドールハウス、写真、旅先で収集したエキゾチックな品々、、、' 

'藤田嗣治ー手しごとの家.林洋子(集英社新書)から




まさにその言葉通り
彼の暮らしに関わる殆どを手作りしていると言っても過言ではない

溢れるアイデアを形に出来る手がある事ほど素敵な事はありません

彼が日本を代表する国際的な画家である事は間違いないですが
何より寸暇を惜しんで彼は手先を動かしていた様子が伺えます

藤田の家を拝めるなんてもう夢の様な気持ち




大自然溢れる丘陵地帯の一角にポツンと建ってます




入館するとまず藤田記念館ともいえる建物へ。
 彼の波乱万丈な人生のダイジェストがビデオで鑑賞できます

そしていよいよMaison Atelier Foujitaへと導かれると入り口で
専用イヤホン(日本語あり)が渡され、説明が聞きながら 各部屋ごとを廻れます
(短いながら藤田自身の肉声も聞けますよ)


1階は庭を通って玄関、台所、そしてダイニングルームといった作り。
2階はリビングと寝室
ベッドサイドにはいくつもの骨董人形が置かれています
藤田は蚤の市巡りが好きだったと知り
親近感湧きました

3階は藤田の聖域ともいえるアトリエ
屋根裏部屋1フロアには沢山の
ペインティングのみならず、木工用品、作りかけの額縁
そしてドールハウスを思わせる自作の立体模型など
何処に焦点を合わせていいのか戸惑う程
彼の手によって生み出された作品が所狭しと置かれています
極めつけは壁にかかれたフレスコ画の習作







周囲の環境は牧場やファームもあり、のどかそのもの
ここで藤田も散歩なんかしたんでしょうか
日本の生活を恋しがっている節もあり
美空ひばりのレコードなんかも部屋にありました




藤田嗣治ー手しごとの家
林洋子
(集英社新書)

日本からわざわざこの本を持ってきました
藤田の暮らしの様子が詳しく分かります



残念ながらMaison Atelier Foujitaの写真は撮影禁止ですが
記念館の方の展示はオッケーでした



ロンドンの仕立て屋で働いていた経験のある藤田にとって
裁縫も得意だった様で、針仕事にいそしむ自画像があるくらい

今見てもお洒落でかっこいい様々なファッションが
自らの手で作り出されています。もし今の時代に彼が存在したら
世界が注目するファッションデザイナーとしても
活躍してたかもしれません





愛用のミシン








パリの社交界でも独自のスタイルとファッションで
目立っていた藤田。サービス精神豊かな性格らしくドレスアップや
女装姿もあり、大胆

しかもかなりフォトジェニック




藤田嗣治ー手しごとの家からのイメージ

上が仕立て屋(1959年頃)
下が剥製師(1959年頃)

藤田の絵というと独自の乳白色で描かれた美女や猫のシリーズが有名ですが
私のお気に入りは子供の姿を描いた小さなタイル画(15センチ四方)

おとな顔負けの姿で子供が専門職について働いている絵のシリーズです

このまま絵本にもなりそうな程
一枚の絵からいろんなストリーが膨らんできます






藤田の絵が好きな人ならお勧めのスポットです

Maison Atelier Foujita

住所ー7, Route de Gif, Villiers-Le-Bâcle

土曜日:14:00-17:00
日曜日:10:00-12:30、14:00-17:30