7月前半からフランスで暮らしています
いつもは時差ぼけにもならず、すぐ体が現地にあわせられるのに
今回はたった8時間の差が埋められず少々困りました、、
しかし1週間目にしてようやく体が現地モードになり一安心
さて、私の現在いる場所は、パリから電車で約40分南下した郊外の
ビレッジで花の都パリとは全く違うのどかで落ち着いた雰囲気です
一見、日本とは全く縁の無いローカル色の強いエリアなのですが
実は一カ所、私たち日本人にはゆかりのある場所があるんです
それはどこかというと
藤田嗣治(1988-1968)の終の住処となった
Maison Atelier Foujita
(メゾンアトリエフジタ)
晩年の6、7年を過ごした製作と暮らしの場所です
もっとも、私の暮らす場所からは車で約10分程かかるんですけどね、、
交通の便は良いとはいえない場所にあります
''日本人の美術家として初めて国際的な美術界と市場で成功を収めた藤田嗣治。
彼はまた、当時の男性には珍しく身の回りのものをことごとく
手作りし暮らしを彩った生活の芸術家でもありました。
裁縫、大工仕事、ドールハウス、写真、旅先で収集したエキゾチックな品々、、、'
'藤田嗣治ー手しごとの家.林洋子(集英社新書)から
まさにその言葉通り
彼の暮らしに関わる殆どを手作りしていると言っても過言ではない
溢れるアイデアを形に出来る手がある事ほど素敵な事はありません
彼が日本を代表する国際的な画家である事は間違いないですが
何より寸暇を惜しんで彼は手先を動かしていた様子が伺えます
藤田の家を拝めるなんてもう夢の様な気持ち
大自然溢れる丘陵地帯の一角にポツンと建ってます
入館するとまず藤田記念館ともいえる建物へ。
彼の波乱万丈な人生のダイジェストがビデオで鑑賞できます
そしていよいよMaison Atelier Foujitaへと導かれると入り口で
専用イヤホン(日本語あり)が渡され、説明が聞きながら 各部屋ごとを廻れます
(短いながら藤田自身の肉声も聞けますよ)
1階は庭を通って玄関、台所、そしてダイニングルームといった作り。
2階はリビングと寝室ベッドサイドにはいくつもの骨董人形が置かれています
藤田は蚤の市巡りが好きだったと知り
親近感湧きました
3階は藤田の聖域ともいえるアトリエ
屋根裏部屋1フロアには沢山の
ペインティングのみならず、木工用品、作りかけの額縁
そしてドールハウスを思わせる自作の立体模型など
何処に焦点を合わせていいのか戸惑う程
彼の手によって生み出された作品が所狭しと置かれています
極めつけは壁にかかれたフレスコ画の習作
周囲の環境は牧場やファームもあり、のどかそのもの
ここで藤田も散歩なんかしたんでしょうか
日本の生活を恋しがっている節もあり
美空ひばりのレコードなんかも部屋にありました
藤田嗣治ー手しごとの家
林洋子
(集英社新書)
日本からわざわざこの本を持ってきました
藤田の暮らしの様子が詳しく分かります
残念ながらMaison Atelier Foujitaの写真は撮影禁止ですが
記念館の方の展示はオッケーでした
ロンドンの仕立て屋で働いていた経験のある藤田にとって
裁縫も得意だった様で、針仕事にいそしむ自画像があるくらい
今見てもお洒落でかっこいい様々なファッションが
自らの手で作り出されています。もし今の時代に彼が存在したら
世界が注目するファッションデザイナーとしても
活躍してたかもしれません
愛用のミシン
パリの社交界でも独自のスタイルとファッションで
目立っていた藤田。サービス精神豊かな性格らしくドレスアップや
女装姿もあり、大胆
しかもかなりフォトジェニック
藤田嗣治ー手しごとの家からのイメージ
上が仕立て屋(1959年頃)
下が剥製師(1959年頃)
藤田の絵というと独自の乳白色で描かれた美女や猫のシリーズが有名ですが
私のお気に入りは子供の姿を描いた小さなタイル画(15センチ四方)
おとな顔負けの姿で子供が専門職について働いている絵のシリーズです
このまま絵本にもなりそうな程
一枚の絵からいろんなストーリーが膨らんできます
藤田の絵が好きな人ならお勧めのスポットです
Maison Atelier Foujita
住所ー7, Route de Gif, Villiers-Le-Bâcle
土曜日:14:00-17:00
日曜日:10:00-12:30、14:00-17:30
日曜日:10:00-12:30、14:00-17:30
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