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~a thin line between junks and masterpieces~

2013年9月30日月曜日

La maison Picassiette--ピカシェットの家



パリから車で約1.5時間南下した場所にあるシャルトル(Chartres)
古い歴史を物語る旧市街地の独特の建造物等あって観光地としても有名なのに
日曜日だったせいか殆どの店は休みでひっそりしていました。

町一番の観光スポットといえば世界遺産に指定されているノートルダム寺院。

高台に位置する寺院の裏庭から辺りを見下ろせば
豊かな自然とのどかで優しげな家並みが一面に広がります




大昔から巡礼者がここを目指したと言われるノートルダム寺院の
中に入ると壮大な空間の中、万華鏡の如く繰り広げる
ステンドグラスの色彩と形に魅了されます





今回シャルトルの町に出かけたのはピカシェット(picassiette)の家を見たかったから。

数年前に見たアウトサイダーアート系の本にその写真が
紹介されているのを見て以来行きたかった場所です
町中心部から更に車で数分走った静かな住宅街の中に
ぽつんとありました。




入り口にあった"ピカシェットの家"を示すプレート。





熱心なカソリック信者だったレイモンドさん(本名:Raymond Issidore)が
1937年から1960年にかけての23年間、墓地の管理や清掃業の傍ら、
そこで集めてきたガラスや陶器の破片をセメントに埋め込んで作った
モザイクの作品で埋め尽くされた住居で 今ではプリミティブアートの傑作として
歴史的建造物に認定されているそうです。

ちなみに"ピカシェット"という言葉は拾ったりもらったりして物を集めていく人を
意味し、レイモンドさんについたニックネームだったそうです。








入り口のゲートをくぐると
細長い敷地に沿って小さな部屋が奥へ奥へと
延びていきます

館内に展示された当時のご夫婦の生活を撮った写真
自分の作った好きな物に取り囲まれて幸せそうに暮らすお二人
モザイク作品を日常の生活に実際に使っていた様子が写真で伺えます




冬場はさぞかし冷たいだろうと推測されるベットルーム
でも可愛い








モザイク細工が奏でる色と形のハーモニー


ノートルダム寺院のステンドグラスを見て
育った影響なのか、色彩感覚がとにかく豊かで羨ましい。




きっと仲睦まじいご夫婦だったようで
二人の姿も刻まれてます




庭の壁に目はなをくっつければ壁人間の出来上がり

サンミッシェルを描いた様な壁画のリビングルーム




ここまでやるかーと叫びたくなる様な芸の細かさが
あちこちに見られます。マンダリンまでモザイクとは、、、



室内の壁はキャンバスと見立てて
隙間無くびっしり絵が描き込まれてます
これは自画像かも







画家としてもすごい才能があったことがわかります






シャルトルの町のシンボルの
ノートルダム寺院に捧げた様な空間



破棄されて当然の様な陶器の破片などのガラクタに
新しい命を吹き込み続け、作り上げたモザイクアートの
結晶のようなお家でした



アドレス
22 Rue du Repos, 28000 Chartres,







2013年9月18日水曜日

季節限定のフランスの果物ミラベル

先月ストラスブールへ出かけた時に食べたタルトが余りにも美味しく
ずっとその存在が気になっていたミラベル、、、

ミラベルとは主にフランスの北東部ロレーヌ地方の特産物

熟れてくると黄色からだんだんオレンジ色を帯びてくる
丸くて小さめの果物
そのまま食べても勿論おいしいですが
加熱すると更にそのパワーが増す様な気がします

日本のスモモ、プラムに似ています
フランスでは8月中旬から9月にかけての約一か月間市場にでて
あちこちのマーケットに売られています


先日ラッキーな事にダルマンの会社の人から庭になった
大量のミラベルを頂きました
きれいに洗って半分にカットして種を取り除く作業は結構手間とります。
その後ペクチンいれてからコトコト煮込むのかと思っていたら
調理時間は意外にも短め
そのせいかミラベルの果実は荷崩れせずその姿をとどめたまま











20個以上の自家製ジャム出来上がり

結果は上出来

ジャムとしては甘酸っぱく果実の部分はマッタリぷっくりしていて
他の果物のジャムにはない感じ、、
カリカリ焼いたパンにたっぷりのせると何とも幸せな朝食となります




こちらはミラベルパイ
パイ地の上に半分にカットしたミラベルをひたすら
敷いていくだけ、オーブンで約30分も焼けば完成
生クリーム添えて食べればほっぺ落ちます



V&A Childhood Museum (ロンドン)



16世紀から現在に至る迄の世界中のおもちゃ、人形、ゲーム、衣装、
日用品等を通して、各時代の子供達の暮らしの移り変わりを
展示するミュージアムです。
ロンドン滞在中は入場料無料も手伝ってか、何度足を運んだ事でしょう
徒歩約10分程で個性的なお店が集まるBricklaneにもいけるので
Beigel Bakeでチーズケーキとベーグルを買って帰るのが定番のコースでした。
懐かしい、、


ロンドン東部のベスナルグリーン駅近くにあるこのミュージアムは
地下と地上2階で構成される大きな建物


大量生産が始まる以前に作られた古い玩具には目を見張る職人技や
ぬくもりを感じるものが多く、テレビやコンピューターも
ない時代に作られたモノのクオリティーの高さに驚かされます。



中でも絶対見落とせない私のお気に入り展示物といいますと、、


Golliwogg &Dutch Doll(ゴリワグ&ダッチドール)






高い成功を収めた絵本Golliwogg's Auto-go- Cart(1901)のキャラクターの
ゴーリー君とダッチドールの作者フローレンスアプトン
(Florence Upton)が大切に持っていた手作り人形






Alice in Wonderland
(不思議の国のアリス) 
Mad Hatters Tea Party-Wood &Metal Playset

ルイスキャロルの不思議な国のアリスの一場面、マッドハッターのお茶会を
モチーフにした木と銅で出来たおもちゃのセット
Talford Toys社によって1900〜1920年辺りに英国で作られたもの




一番好きなアイテムは40年代頃絵本やアニメーションで
子供達に人気のあったToy Town(トイタウン)

S.G.Hulme Beaman(S.G.ヒューム ビーマン)
1920年から30年にかけて作られた木材の小さな人形達。その一つ一つの
ユーモラスで温かな愛らしさに釘付けになります











子供が使える木馬や砂場も館内にあります。
ワークショップも充実していて
実際にたくさんの子供達が遊ぶ姿も見かけられます









Teddy Bear(テディーベア)



世界中の子供達の間で最も愛され続けているオモチャと言えばテディーベア。
エドワーディアン朝時代のベアは長い腕、出っ張り気味の背中、
突き出たハナ等、今のベアとはかなり違う貴重品。見ているだけで
癒されるベアが数多く展示されています。









館内は吹き抜けなので、最上階から下を見下ろすと
カフェで寛ぐ家族連れの姿が
ミニチュア人形の様に俯瞰で眺めらます。








アート、デザイン的なインスピレーションが
得られる貴重な場所。
是非じっくり鑑賞する事をお薦めします。

住所:Cambridge Heath Rd, London E2 9PA, U.K
http://www.museumofchildhood.org.uk




2013年9月1日日曜日

最近買った絵本

先月パリ、サンジェルマンのChantelivreという本屋さんで
見つけた絵本

タイトルは、Fort comme un ours "
訳すると"熊のように強く"


ドイツ人絵本作家Katrin Stanglによる一冊
出版社ALBIN MICHEL JEUNESSE 2013
タイトルの見開きページ


"とりのように自由に、いたちのように活発に"
"雄鶏のようにけたたましくに、あなぐまのように冗談ばかり言い"



"象のように雄大で"
"熊のように強く 孔雀のように優雅で"
って言う感じで沢山の動物が登場する絵本






明るい色彩とかわいいキャラクターを
眺めているだけで理屈無く癒され
目と心の保養になる様な気がします