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~a thin line between junks and masterpieces~

2014年7月13日日曜日

イギリスの立体絵本               ーブッカーノ ストーリーズ




ブッカーノ ストーリーズは1934年から1950年迄イギリスで
1年に1度のペースで作られた立体絵本。
第一次世界大戦の影響で、質の高いドイツ製の立体絵本を
輸入出来なくなった事情から、イギリス国内で優れたものを目指して
作られたのがブッカーノシリーズの始まり。

ブッカーノという名前は当時、子供の間で流行した組み立て式玩具、
メカーノに由来しているそう。確かに遊べるオモチャの様な絵本です。
ロンドンで開催される骨董&ビンテージ絵本のフェアで
見かける度、高嶺の花と購入は諦めていたブッカーノシリーズも
近年、インターネットオークションe-bayのお陰で英国では、
気軽に取引される様になりました。

こちらの本は帰国前に3冊まとめてゲットしたものです。





Bookano Stories no14
(Strand Publications 1947)
編集 S.Louis Giraud



縦22センチX横17センチ、約30ページ、厚さ3センチの中には子供向けの
20編ほどのストーリーが納められ
幾つかのシーンが立体で現れる仕組み。中には生命を得たかの様な
動きを見せる物もあって、ページを開く度、驚かさます。





イギリスの休日に突然開催される移動遊園地についての
"Fair Fare"という短編には心躍る遊園地が立体化。


戦時中だった事もあってコスト低めの印刷技術だったそうですが、
今見ても発色が鮮明できれい。約70〜80年前の本とは思えません。


●回転木馬のポップアップ拡大図●
芸が細かいです。




とは言っても、当時の子供の落書きやら修復出来ない程の
ダメージもあったりなんですが、、、





"Castle Revelation"から


歴史的建造物好きなら嬉しい内容です








Bookano Stories no16
(Strand Publications 1949)







“the River gateway to London"という短編の中に
突如姿を現すタワーブリッジ

橋の中央が持ち上がる仕組みも3Dで忠実に再現してます。








Windmills(水車)というショートストリートのページを開けると
美しい田園風景の中に水車とコテージが浮かび上がる仕掛け




Bookano Stories no17
(Strand Publications 1950)


"the story of the Tower of  London"という
ロンドン塔についての話の中に現れるホワイトタワー




今も昔も変わらぬシンボリックな建物です




最後は
”the buffle headed muffin"というタイトルの短編の中から〜

マフィンという鳥の餌を横取りする賢い猿のクランペの話
マフィンのクチバシが鋭くクランペを攻撃します





子供の為に作られたとは思えない程、見応えある立体絵本。

昔のオモチャや絵本って 質が高くて贅沢だな~

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