ブルーノ ムナーリの絵本は何冊か持っているけど
神保町で見つけた芸術新潮2008年1月号
<特集は役に立たないブルーノムナーリ入門>には
<特集は役に立たないブルーノムナーリ入門>には
初めて見る作品が沢山掲載されていてホクホク
芸術新潮2008年1月号(新潮社)
ブルーノ ムナーリ(Bruno Munari 1907~1998)は
日本ではイタリアの絵本作家として有名ですが、
最後の展覧会(1995)のカタログに載っている肩書きには
発明家、芸術家、著述家、グラフィックデザイナー、工業デザイナー、建築家、
そして子どもと一緒に遊ぶ人とあるそうです。
こちらはダイカットの穴を使った仕掛け絵本
“トントンだあれ?あけてごらん”
穴からのぞく顔は鳥かな?って思ったら、、
ムナーリは見る人を楽しませようとする
エンターテイメント性溢れる芸術家。
エンターテイメント性溢れる芸術家。
誌面には多種多様な仕事ぶりが紹介されていて
どれも見応えたっぷりですが、
一番驚いたのはムナーリの自画像。
自画像(1916)についての記事です
( 拡大図)
周りの大人を説き伏せてしまうような賢さや強い意志が表情から
滲み出ている自画像はなんと9歳の時描いたもの。
その当時から自己を客観視し、表現していたとは驚異的。
もう一つ驚いたのは、風景画を描く自画像を,
その風景をバックに一枚絵に閉じ込めるという
ちょっとシュールな多層構造的、、とでも言いたくなる世界。
ムナーリの絵本といえば、透ける紙に印刷して重なったイメージから
拡がるストーリーやダイカットの穴を使って前後のシーンを
のぞかせたりといった<レイヤー効果>を使った仕掛け絵本が有名ですが、
この自画像を見ると早くもレイヤーの概念を盛り込んだ世界を描いている!
自由を愛し,独学で芸術を極めたムナーリの天才ぶりが
ヒシヒシと伝わる一枚の絵でした。
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