Copyright ©etsuko omura. 2013 all rights reserved

~a thin line between junks and masterpieces~

2016年10月25日火曜日

懐かしの京都へ


2泊3日で京都へ。
4年ぶりの京都は前回行けなかった場所を目指しました。
京都駅からバス28番に乗り、途中の嵐山など、
観光名所を車中から眺めながら小一時間で終着駅の大覚寺。
秋の京都というのに、観光客はほんのわずかで
静かで美しい空間を独占気分。




昔、この近くに暮らしていた頃は
全く興味もなく素通りしてきた場所。





若い頃は感じられないモノが年取ってしみじみ体感できるなら
おばさん、おばあさんになるのは悪いことばかりじゃないかも。





天井や襖に描かれた絵も素敵なものばかり






32年前に下宿していた場所も、全く変わらずそこにあった。
10代の最後、周囲を山で360度
囲まれたのどかな環境で過ごしてたんだな、







京都で時間があれば、目指すは恵文社一乗寺店。
書籍だけでなく、雑貨や洋服、面白い展示もやってます。
でもやっぱり、ここに置いてある本は手に取らずにはいられない。
ちょっと不便なロケーションながら絶対外せないお店!







一乗寺駅から恵文社に行く間にあるカレー屋、
ナマステキッチン一乗寺払殿町502)
4年前にたまたま入って、ぜひもう一度来たかったお店。
特に少し甘みのあるナンが美味しくて、リーズナブル。
恵文社にて本漁りでお腹が空いた人には是非お勧めの店




今回の旅行は日本新薬こども文学賞の表彰式出席の為。絵本以外にもお布団キャラを使った案内状も作って頂きました。

     



枕ちゃんキャラの飴まで用意して頂き、
感謝感激

中は、ハート型の美味しい飴でした。


絵本『ぼく しらないよ』

第8回日本新薬こども文学賞に選ばれた木村セツ子さん作
『ぼく しらないよ』に絵をつける作業が終わり、
ようやく一冊の本として完成しました。



 作:木村セツ子
絵:大村えつこ

他の人が作ったテキストに絵をつけ絵本にしていく作業は初めて。
それに加え、お布団やシーツを擬人化してビジュアライズするのが難かしく
思ったより時間もかかりましたが、朗らかで楽しい絵本になったと思います。









 シーン1





シーン2





 シーン3






 シーン4






シーン5







シーン6







シーン7






 シーン8







シーン9




この絵本は書店で販売されるものではなく、
子供達に広く見てもらえるよう、全国の学校や病院等にに配布されるそうです。

なお、絵本ご希望の場合は『きらきら未来こども募金』として
500円募金するとで入手できます。
ここをクリックすると詳細が出ます。




























2016年8月31日水曜日

good bye summer 2016

気付けば今日は8月31日。今年は残暑が当分、幅をきかせそうですが、
暦的には明日から待望の9月!秋の到来です。

スイカも日焼けも水泳も苦手な私にとって、
夏で嬉しいことなんてアイスクリームと枝豆が美味しい以外、
考えられなかったのですが、もう一つ、思いつきました。
それは外出の際、必ず、まぶかに帽子をかぶるので、
ヘアスタイルを全く気にしなくてラクチンなこと。

とはいえ、そろそろお気に入りの麦わら帽子とは
お別れの日が近ついてきたので本日、
4ヶ月ぶりにヘアカットに行ってこようと決心。

早く秋が来ないかなあ〜
しかしここから年末までが坂道を転がるように速くて
ちょっと怖いけど、、

2016年6月28日火曜日

イモヅル式物語



先月、立ち寄った図書館の玄関口に設置された
リサイクルコーナーで
見つけた絵本, ”イモヅル式物語”

この本、以前から買いたいな〜って思ってた本だったので
ラ、ラ、ラッキー!

昔、なんかのインタビューで
目をつぶって見える世界を描くタイプ”と自己分析していた
スズキコージさん。
彼の脳内にうごめく奇妙でアクの強いモノモノが
イモヅル式に登場し、好き勝手に遊ばせている間に出来たような
短編ストーリーがはみ出さんばかりの賑わいで、
一冊に収まっていて、ページをめくる手が止まりません。




イモヅル式物語
スズキコージ
(ブッキング 2005)



以下はゾウのきたゾウくんとガールフレンドの
コウモリのもりこさんの映画デートのエピソード。




















スズキコージさんの絵本は絵がとても雄弁なので
文字なくても楽しめる!
老若男女関係なしの
全世界でシェアしたい稀な絵本じゃないでしょうか?








こちらはファッションデザイナーの
針ねずみのお話。
おしゃれで強気!素敵な女性です。



見応えたっぷりなお話が合計12篇も
詰まったオムニバス絵本。





その他、キャロラインの絵本シリーズも
リサイクルされてたので
有難く頂戴しました。

帰り道は重かったけど
足取りは軽かったです。




2016年6月3日金曜日

ぽかぽかしんぶん



 周りを囲む部分のイラストレーションのみ描いてます。
梅雨と七夕がイメージです。





おひさま6・7月号(小学館 )

”おひさま”には、8ページ前後の絵本作品が
幾つか掲載されていて、短い中でのお話作りの
構成力に感心してしまいます。








こちらは
住まいるライフ5号(全労済)



梅雨の季節の災害に負けない生活に
関するページです。


現在は来月中旬締切予定の絵本のラフ作りを
やっていますが、ナカナカはかどりません、、


2016年5月8日日曜日

詩とイラストレーション


約18年前にロンドンのフリーマーケットのガラクタの山から50ペンス
(当時100円くらい)で掘り出した絵本。
M.C.グリーンさんという方が絵もカリグラフィーも担当していて、
英国で子供の為の詩をビジュアル化した初の試みとして、
当時の子供文学賞に輝いた作品でした。


Magic Lanterns
Lettered and decorated  for young childrens
The Bodley Head 1949
カリグラフィー,絵 M.C.GreenM.C.グリーン)






子供にも分りやすい単純な絵やラインで構成されています。
刷り色限定の当時の印刷技術もあいまってか、東欧の絵本のような温かくて
70年前の絵本とは信じられないくらい
モダンで新鮮な雰囲気を受けます。







詩のなかの言葉を大切にする様に、イラストレーションも
カリグラフィーも、さらに余白までも、それぞれをひき立て合っていて
眺めているだけでも心地よい刺激がもらえます。




同シリーズのこの絵本は
その10年後にオックスフォードのチャリティーショップにて購入。



Stars and Primroses
Poems for Children, chosen Lettered and Illuminated

John Lane, the Bodley Head Ltd,1945








学生の頃、国語、しかも詩の授業は苦手で教科書を落書き帳にしていた
黒歴史を思い出します、
こんな美しいイラストレーションやデザイン付きの教科書だったら
きっと授業も楽しかっただろうなあ、、

2016年5月6日金曜日

日本新薬こども文学賞



第8回日本新薬こども文学賞絵画部門にて
作品が最優秀賞になりました。


こどもたちの“ゆめ”を彩る一枚の絵がお題だったのですが、
一体何を描けば?と迷いつつ、2月の寒い頃に着手。
コンペというといつも締め切りに間に合わず、断念状態が多かった中、
これは期日前に初めて完成した珍しい作品でもあります。




”ジャングルにようこそ”

これから
物語部門の最優秀賞作品に絵を付けさせて頂き、
絵本を作っていく作業が始まりました。

お茶目で可愛らしいストーリーをどうやってビジュアル化出来るか、
現在頭をひねっております。

これまでの受賞作品は下のリンクをクリックすれば眺められます。







2016年3月27日日曜日

ブルーノ ムナーリ の自画像

ブルーノ ムナーリの絵本は何冊か持っているけど
神保町で見つけた芸術新潮20081月号
<特集は役に立たないブルーノムナーリ入門>には
初めて見る作品が沢山掲載されていてホクホク



芸術新潮20081月号(新潮社)




ブルーノ  ムナーリ(Bruno Munari 1907~1998)は
日本ではイタリアの絵本作家として有名ですが、
最後の展覧会(1995)のカタログに載っている肩書きには
発明家、芸術家、著述家、グラフィックデザイナー、工業デザイナー、建築家、
そして子どもと一緒に遊ぶ人とあるそうです。



こちらはダイカットの穴を使った仕掛け絵本


“トントンだあれ?あけてごらん”

穴からのぞく顔は鳥かな?って思ったら、、

 



ムナーリは見る人を楽しませようとする
エンターテイメント性溢れる芸術家。




誌面には多種多様な仕事ぶりが紹介されていて
どれも見応えたっぷりですが、
一番驚いたのはムナーリの自画像。


自画像(1916)についての記事です



( 拡大図)

周りの大人を説き伏せてしまうような賢さや強い意志が表情から
滲み出ている自画像はなんと9歳の時描いたもの。
その当時から自己を客観視し、表現していたとは驚異的。

もう一つ驚いたのは、風景画を描く自画像を,
その風景をバックに一枚絵に閉じ込めるという
ちょっとシュールな多層構造的、、とでも言いたくなる世界。

ムナーリの絵本といえば、透ける紙に印刷して重なったイメージから
拡がるストーリーやダイカットの穴を使って前後のシーンを
のぞかせたりといった<レイヤー効果>を使った仕掛け絵本が有名ですが、
この自画像を見ると早くもレイヤーの概念を盛り込んだ世界を描いている!


自由を愛し,独学で芸術を極めたムナーリの天才ぶりが
ヒシヒシと伝わる一枚の絵でした。


























2016年3月18日金曜日

イタリア映画 ”メリーゴーランド”


神保町にいくと古本はもちろん、古い映画のパンフレットの
宝探しについつい明け暮れてしまいます。
この映画は日本公開は74年、
小学生だった私は夏休みに
“星の王子様”を観るか、”メリーゴーランド”を
観るかで随分悩んだ記憶があります。

この時期、なぜか可愛い子供が難病におかされる、又はトラブルに巻き込まれる
<お涙頂戴モノ>と揶揄される
映画が沢山公開されました。”メリーゴーランド”のみならず
’ロリーポップ”、“別れのこだま”、”愛の微笑み”,その他諸々。



いつも何か食べているぽっちゃり女友達が
いい味だしてました。

劇中でも流れてくる”メリーゴーランド”のテーマソング
名曲です!


チェスティ君といえば
そばかすだらけの笑顔がキュートで
その後も映画やテレビで活躍したそうですが
現在はイタリアでスポーツジムを経営していると
インターネット情報で知りました。




こちらは”メリーゴーランド”の後、公開された“虹を渡る風船”。
”メリーゴーランドではリッチな家庭の坊っちゃまだったのに
こちらの映画では、アル中のお父さんにかわって
紙芝居で日銭を稼ぐ健気な少年を演じてました。





”メリーゴーランド”の下に積まれていたのがこのパンフレット。
こういうジャンルの映画の草分け的存在の
”クリスマスツリー”(68年日本公開)

これは、さすがにリアルタイムではなくて
確か日曜洋画劇場で淀川さん名解説付きで
荻昌弘さんだったかも?)観た様な、、





映画のパンフレットって日本ならではの産物。
昔は好きな映画のモノは集めていましたが
いつのまにか手放してました。

長い月日が経ると再度コレクションしたくなります。




ぽかぽかしんぶん






”おひさま”(小学館)のぽかぽかしんぶんのフチ部分
イラストレーション描いてます。
最近やっと暖かくなってきて
公園の桜も梅も咲き始めましたね。
短い春を楽しみたいです。




おひさま4/5月号 2016(小学館)




2016年2月28日日曜日

絵本 Grandma's house



Grandma's house
Alice Melvin
Tate Publishing, 2015



エジンバラ出身の絵本作家アリス メルヴィンの”Grandma's house”
タイトルが示す様に作者が よく立ち寄ったおばあちゃんちでの体験を題材にした絵本。





学校帰りにおばあちゃんちへと向かいます。
見所の一つはアリス(プラス読者も)を歓迎するかの様に半開きの状態になっているドア。


通常だとドアの部分に切り込みが入っていて開いたり閉めたりする方法をとりそうですが、
この絵本では、もっとシンプルな方法。

半開きのドアの横に開けた四角い空間(ダイカット)で表現してます


ここから隣の部屋がのぞいて見える様になっている。



シンプルながら洗練された方法で
おばあちゃんち探検ツアーにアリスと一緒に読者は導かれていきます





まず玄関のフックにコートを掛けて






キッチンで牛乳を飲み、







お気に入りの大きな壁時計を捲くネジを探すため
はしごを使って屋根裏部屋へのぼっていきます

折り畳んだ部分を広げると秘密基地のおでまし、



たどりつくのは沢山の宝が眠る屋根裏部屋






そこにはおばあちゃんが子供の頃遊んだオモチャや
想い出の品がひっそり置かれている

余談ですがイギリスには
"Cash in Attic"という、英国版”なんでも鑑定団”の様な私の大好きな
テレビ番組がありました。屋根裏部屋に眠る骨董品をオークションに
かけて一稼ぎという内容です。




いよいよ探検ツアーの終盤です。
ガラス張りの明るい部屋コンサバトリーにも
おばあちゃんの姿が見られないのでちょっと心配になってきます。



イギリスの一軒家にはこんな温室みたいなコンサバトリールームが時折あります。
ここで庭を眺めながらお茶したり,雨の日の読書にピッタリだな、、




やっとおばあちゃんの声が聞こえて一目散に庭へ出てみると、、、




そこにはアリスを驚かす為にお茶会の支度をするおばあちゃんと犬,猫、鳥の姿が!


めでたし、めでたし



この絵本の最後の言葉によると
アリスのおばあちゃんは裁縫、木彫り、銀細工、刺繍とあらゆる手芸が得意な人物だったそうで,
受け継いだDNAを駆使してこの絵本を作り出したことは、
おばあちゃんへの最大の愛情や尊敬の証しと言えるでしょう。


版元はテートパブリッシングというテートミュージアム系列の出版社で、
ここ数年絵本作りに力を入れているのが分かります。
でもわざわざ英国に行かずに日本のアマゾンでも購入可能です。