”Grandmother Lucy in her Garden ”(Collins,1972)
Joyce Wood(作)Frank francis(絵)
これが私が一番最初に手にした海外の絵本です。1970年代、洋書の絵本なんてハイカラなものは周囲には無かったのですが、偶然通りがかった神戸の丸善で開催されていた海外絵本展に立ち寄った際、世界中から集められた沢山の絵本が放つパワーに圧倒されながらも、その時一緒だった母のプッシュもあり、最終的にこの本を買う事に決めました。なので、家に帰ってから2人で繰り返し、何度も何度も眺めていた事を思い出します。当時、読書嫌いだった私にとってテキストが英語だった事は好都合で、文字はデザインの一部とだけ見なし、絵とデザインだけで絵本全体を堪能していた様に覚えてます。
小さな女の子とルーシーおばあちゃん、そして飼い猫のトムのほのぼのした日常を描いたお話です。
当時の無知な私はテキストが英語なので、てっきりアメリカの絵本と思い込んでいましたが、それからウン十年経ち、大人になってからこの絵本をしみじみ眺めていると、英国では春の到来を知らせる花として知られるdaffodil (ラッパスイセン)が散歩道に咲き誇り、養蜂場ではベール付きの帽子を被ったりと、この絵本の舞台はイギリスの麗らかな田園風景そのものである事を発見。この絵本に出会った頃、小さな女の子と同年齢だった私がいつの間にか、ルーシーおばあちゃんの方に近ついてきている事にも愕然!大好きな絵本に読者は自分の人生を投影しながら日々、変化、成長していくモノなんだと気がつきました。
ちなみにグランドマザールーシーのシリーズは全部で4冊あります。
大切な絵本とはライナスの毛布みたいに、ぼろぼろになってもそれが無いと落ち着かない、一種の精神安定剤の様な物。
私にとっては記念すべき第1号の絵本なのです。
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