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~a thin line between junks and masterpieces~

2013年5月24日金曜日

おばあちゃんの人形

うちの祖母が女学校に行っていた頃
香月せき子さんに人形作りを教わってました。
昭和3年に出版された香月先生本、”童謡人形” 祖母の作った
人形の一部はまだわが家の片隅にあります。
本の中には若かりし祖母が作った原寸の型紙や
鉛筆の書き込み等あって85年前のボロボロですが、とても大切なもの。



童謡人形---手芸エンサイクロペ
香月せき子

婦人之友社, 1928







支那のジプシー




支那のジプシー人形の型紙



祖母のつくった支那のジプシー人形
サテン地製










黒人の男の子人形の型紙




祖母のつくった人形

ファションもハイカラです









人形ピエロ型紙





祖母のつくったピエロ人形
残念な事に右足がミッシング、、、









この本の口絵のイラストは”コドモノクニ”で有名な村山知義。
人形のデザインは昭和初期のものなのにモダンで可愛いな〜と思ってたら
奥様である村山筭子によるものでした
納得


2013年5月21日火曜日

ロンドンマップとアダムスファミリー

London Map & The Addams Family


Greater London Map
1985/86
<イラストレーション者名、残念ながら不明>



初めての海外旅行は1985年、ロンドン、パリ、バルセロナ等ヨーロッパを
約2週間かけて廻りました。この観光センターで無料でもらった
ロンドンマップは、今も大切にしているスーベニア。表紙のイメージが
何より可愛くって、見るたびに観光気分が甦る気がします。





その地図の片隅にはBT(日本のNTTみたいなイギリスの電話会社)の
広告としてアダムスファミリーのマンガが掲載されています
(下記をご覧下さい)
当時英語力乏しい私にはこのマンガに付いている英語がよく
わからなかったのですが28年ぶりにその地図を広げてみると、
やっとその意味が把握できました。





The Addams Familyから
作:Charles Addams

モーティシア(黒髪の女性)が、旅の様子を家族にBTの公衆電話を使って知らせているという3コママンガ



はるばるロンドンにやってきたモーティシアとフェスター。観光で街を歩いていると
アダムスファミリーのメンバーに負けないくらい強烈な風貌の人々を目の当たりにした後、

…. Oh no Granma, we' re not a bit homesick, The folks Fester and I have met could be part of the Family. "
おばあちゃん、ここロンドンには、我々の一族みたいな奇妙な人々が
アチコチにいて私もフェスターも全然淋しくないわ”
(こんな意味です)

っと留守番をしているおばあちゃんに電話をかけている図。
つまりロンドンに来たらBTの電話が便利だよっていう広告です。



28年という月日と共にコミュニケーションの手段がかなり変わってきました。
携帯もスマフォもeメールも使えなかった時代は
小銭かき集めて公衆電話に駆け込んでいたっけ、だけどBTの公衆電話って故障しているもの
ばかりだったよな〜  そんなアクセクした頃がちょっぴり懐かしくなりました。









2013年5月16日木曜日

リトルエンジェルシアター Little Angel Theatre







ロンドンの中でも、オシャレなエリアとして知られるエンジェル。そこから程近い住宅街の
一角にポツンとあるのがパペットの劇場、リトルエンジェルシアター。
1961年、パペット作りで知られるジョン ライト氏が設立したシアターで、
劇場としてだけではなく パペット作りの教室や
ショップも開催しているので 多くの
人が集まる場所になっています。


パペッティアー(パペットを操る人)は単にパペットに動きを与える
黒子的存在だけでなく、台詞を語り、歌い、踊るパフォーマーでもあるので
観客はまるで ミュージカルを見ている様な気分が味わえます。



パペットや人形劇と言うと、チェコやドイツのものが有名ですが、
このリトルエンジェルシアターのパペット達もその可愛らしさやクオリティーの
高さでは負けていません。というのも、チェコ出身の有名な作家もここに所属しているそうで、
東欧の影響も受けたイギリスのパペットの世界が 存分に楽しめます。客席100シートの小さな
スペースが功を成し、仕掛け、演出、音響も迫力ある内容に感じられます。後部席に
座ると劇を見ている子供の反応も一緒に楽しめ、より微笑ましい雰囲気が味わえます。
登場するパペット一つ一つが 一癖二癖ありそうなユニークで姿をしています。



                   "alice in wonderland"         ©  little angel theatre



以前に、劇団の創立50年周年を記念して行なわれた
“不思議の国のアリス”を観ました。舞台監督、演出そしてパペット作りもする
ピーターオルーク氏による人形は、上から糸で吊るす従来の作り以外にも日本の文楽式、
手袋人形、影絵等、様々なテクニックを取り合わせていて興味深いものでした。







劇場のドアを開けると上演作品のハイライトが展示された小さなロビーになっていて、
そこには上演を待つ子供達がいっぱい。いよいよ会場のドアが開くと、
彼らは一目散に前方部に着席。ロンドンのウエストエンドでの観劇とは
ひと味違うアットホームでほのぼのした体験が 堪能出来ます。








劇場の建物の窓からは製作中のパペットが
覗き見られ、興味をそそられます。






最近の上演作品“dogsdon't do ballet"をyoutubeで見つけました

Dogs Don't Do Ballet








住所:14 Dagmar Passage, London N1 2DN, U.K


2013年5月12日日曜日

Pelham Puppets(ペラムパペッツ)




元建築家で人形好きなロバート ペラム氏が(Robert Pelham)が
趣味で作っていたマリオネット人形が評判を呼び、
1948年に設立したのがペラムパペッツ。
50年代から70年代が黄金期で当時の子供達を夢中に
していた模様。残念ながら90年代に生産は
終了してしまいましたが今ではイギリスのみならず、
世界中から沢山のコレクターがいるという
英国ヴィンテージアイテム。


人気絶頂期にはペラムクラブというパペットの
ファンクラブが誕生し、パペッティア(人形使い師)を
夢見る子供が急増する程。

マリオネット人形というと、チェコやドイツの物が有名ですが、
独自の単純な仕組みで作られたペラムパペッツは
子供にも扱いやすいパペットとして定着しました。
球形のアクのあるテカリ顔(ニスで塗られている為)は
好き嫌いがはっきり分かれそうだけど,
好きな人にはたまらないテイスト。
各時代毎に人形の表情やスタイルが微妙に違っています。
凄く可愛いものから、ちょっと引いてしまう様な物まで、
千差万別。童話のキャラクターから選んだ様な
王様、王女様、赤ずきんちゃん,3匹の子豚など
いろんな種類のパペッツがあります。




その昔、ノッテンヒルゲートにある小さなマリオネット
専門店の店頭で、電気仕掛けで陽気に踊る
ペラムパペッツ達の姿がありました。そこを通ったら
必ず足が止まってしまうくらい可愛かった、、


youtubeでそれに似た映像を見つけました
















ドンキー



これは70年代後半の物、足に部分が
プラスチックになっています。カラフルで
オシャレな衣装に身を包んでます



ヘンゼルとグレーテルから〜
グレーテルちゃんは
結構色っぽくて可愛い
着ている洋服もオシャレで今風。


お兄ちゃんのヘンゼル




こわい魔女。
口がパクパク動く仕掛け



可憐な金髪のお嬢さん

イギリスのカーブートセールや骨董市等で時折、見かけますが、
中には糸がグルグルに体に巻き付いて身動き取れないような可哀想な
人形もあります。
マリオネット人形って絡まりやすい所がちょっと厄介、


ロンドンにあるV&A Childhood Museum のパペッツコーナーにも
可愛いペラムパペッツが展示されています。
イギリスのコレクタブルおもちゃを語る時、
絶対外せないアイテムの一つです。




2013年5月9日木曜日

ANRI社のヴィンテージ木彫り人形


1912年イタリアで設立され、今も尚続く木彫りのクラフト人形や置き物で知られるアンリ社。
一つ一つ、職人技で作られた50~60年頃に作られた木彫り人形は、
悲しい事に今では作られていませんが遠く離れたイギリスにも
お土産品として流れ着いたのか、表情豊かな人形達は月日と共にますます味わいを深め
ながら骨董屋さんや蚤の市、カーブートセール等で売られています。






極シンプルなコルク栓や栓抜き用の木彫り人形が多いのですが、
メカニカルの仕掛けでユーモラスな動きを見せてくれる物や大掛かりな動く
オモチャの様な物迄幅広い種類があります。これは長年連れ添ったおじいちゃんと
おばあちゃんが掛け合い漫才してるみたいな壁掛け。





おじいちゃんの事は全てお見通しといったとおばあちゃん
表情が全てを語る!



よく見かけるのはシンプルなコルク栓



メカニカルの仕掛けでユーモラスな動きを見せてくれる物や
オモチャの様に動く物迄、幅広い種類があります

これは後ろの取っ手を上げ下げする事で熱きキスを重ねる2人

youtubeで映像がありました






イタリアの飲んべえの僧侶は、年柄年中酔っぱらってます




こちらの赤ら顔のおじさんも帽子を脱いでご挨拶。

人間以上に表情豊か
どことなく田舎っぽく間抜け風のキャラクターが多いのも特徴
見ているだけでのほほんとした温かい気持ちにしてくれます。



接吻カップルの入れ物


見つめあう大きなフォークとスプーン










モチーフは人間だけでなく動物もあります
ペーパーナイフでしょうか?とても軽い木を使ってます

世界中にコレクターがいるようで骨董屋さんでは高価ですが、
たまに不要品整理したい人が出しているカーブートセール等では
1ポンドくらいで売られている事もあります。

最近気がついたのですが、その仕掛けは、神戸人形と
ちょっぴり似ている様な気がします。
神戸人形は明治時代に作られ始めたからくり人形で、その滑稽な動きと仕掛けは、
日本人のみならず、神戸を訪れる外国人観光客からも人気を博したとの事なので
お土産物として渡った神戸人形を見たイタリア人が触発されて
作ったのかもしれません!?(勝手な憶測です)

神戸人形(AUTOMATA KOBE DOLL)の映像もyoutubeから。
世界に誇る日本の伝統工芸ですね









2013年5月7日火曜日

マーガレット ワイズ ブラウン(Margaret Wise Brown)の絵本 ”When the wind blew ”





"When the wind blew "

Harper &Row, Publishers,1977

作:Margaret Wise Brown
絵:Geoffrey Hayes





憧れの老後生活


マーガレット・ワイズ・ブラウン 1910年生まれのアメリカの
児童書の編集者であり、沢山の名作絵本を生んだ児童文学作家。

シンプルでわかりやすい文とお話にはいつも素敵な絵本画家が
コンビを組んでいて絵本ならではの世界に引き込まれます


絵本画家Clement Hurdとの息もピッタリで子供だけでなく
大人も魅了する絵本”おやすみなさい、おつきさま
Goodnight Moon Leonard Weisgardとのコンビで作った
ヴィンテージ絵本の傑作絵本The Noisy Bookシリーズ等も有名です


柔らかくほんわか温かいGeoffrey Hayesの絵がぴったりの
この小さな絵本は神戸の丸善で中学生の時見つけた物ですが、

当時から大のお気に入りで今でも宝物の様な絵本。





冒頭のページのテキストから~

”She was all by herself in the world because she was so old everyone had forgotten her, and the children and the new people in the world did not even know where she lived or that she was alive.”



”おばあちゃんはたった一人で暮らしていました。
あんまり年をとってしまったので、皆、おばあちゃんの事を忘れて
しまいました。実の息子や娘でさえ、彼女がどこにいるのか、
はたまた生きているのかさえ知らない程。”



文章もセンチメンタルじゃなく適度に乾いていて
清々しい気持ちになります。

一読するとちょっと寂しくも響くけど 
実際は穏やかな海辺の片隅で
17匹の猫と1匹の仔猫を引き連れ、どっこい、
一人暮らしを満喫してる
おばあちゃん。かっこいい〜


それに海辺に暮らしてるので、猫ちゃんもおばあちゃんも
美味しい魚いっぱい食べられるんだろうな〜。








ある静かな海岸の近くでねこちゃん達にまみれて暮らすおばあちゃん。





そんな健気なおばあちゃんの暮らしの中、予期しない出来事が起こります。


ある晩、眠れない程、虫歯がうずきだし、、、




たった一人で暮らすおばあちゃんに大ピンチ!








そこで救世主が現れます



その正体は一番頼りなかった仔猫ちゃん
おばあちゃんのほっぺたに寄り添って寝てくれるだけで
その温かさが痛みを緩和してくれたのです。

めでたしめでたし


ねこって人の痛みや患部が分かる事があるみたい。
私の経験でも、お腹や喉が痛くてたまに寝ていると
ニャンちゃんが患部の上に寝そべって痛みを
吸い上げてくれる様な事が度々ありました。

ネコが主治医だなんて最高の人生。











2013年5月4日土曜日

尾道旅行記ー見かけたモノモノ




先月、山陽から瀬戸内を巡る旅行をしてきました。桜の咲くいい季節の筈だった
のですが、結構肌寒かった。まだ帰ってきてから時間が経っていないので、
いろんな記憶の断片が、私の中で水に溶けない浮遊物の様にぷかぷか
浮かんでいますが、尾道で見かけた風景やモノモノは、いち早く、
底の方に沈殿しつつあります。噂とおり、ノスタルジックでせつない様な
アイテムがあちこちで目にとまりました。




JR尾道駅下車後、目の前の高台にそびえるのは尾道城です。
その日、しまなみ海道を自転車で駆け回ってから夕方ここに到着したので、
観光はあきらめ少しばかり駅前や商店街を歩いただけなんですが、、



JR尾道駅下車後、まず目の前に飛び込んでくるのは
高台にそびえるのは尾道城。





駅から歩いてすぐの所にある”おやつとやまねこ”は尾道プリンで有名な小さなお店。



今や、尾道名物として定着しつつある様な手作りプリン。可愛いねこちゃんが
目印のプリン。尾道プリン、抹茶プリン、そしてはっさく味のプリンには
魚のミニ容器にはっさくシロップが付いています。






とろける優しい食べ心地で美味しい!カラを5つ集めてお店にお返しすると
1つ、プリンが貰える仕組み。近所なら毎日買いたいのにな、、
記念に瓶は持って帰ってペン立てにしています。








なんだか 懐かしい様な眼鏡屋さんの立て看板。夕方だったせいか、
大半のお店はシャッターが下ろされた状態。それにしてもユニーク雰囲気な
店が多い。当ても無く商店街を歩いていると思わず立ち止まってしまう
店構え発見。サイクリングで疲れた体にはまさにオアシスの様なタイミングで
通りがかりました





その名は”あくびカフェ”


入り口にあるパンダの乗り物が目印です。





夕方だったので、お茶とお手製のケーキをオーダー。私は麦焦がしクリームが
添えられた蜂蜜カステラ。カプチーノのトップにはあくびしてる女の子の絵が。
美味しくて、和める最高の場所。ランチのメニューも充実してました。
もう一度行きたいよ〜



こちらがメニューです
可愛いイラストが使われていて、目が釘付けになります。
心落ち着く飴色の店内にはこれ又ユニークなものばかり。



黒板には小学生が描いたと思われる可愛い絵も飾ってあります
棚には洋書の絵本等、こ洒落たモノも置いてありお茶しながら気軽に楽しめます!


店にあるもの、すべて和みアイテム


その晩泊まったホテルにあった旅行誌”TRANSIT"を読んでたらこの場所が
<尾道空き家再生プロジェクト>の一環で作られたカフェであるとの事を
知りました。
その隣にあるのが尾道に出来たゲストハウス”あなごのねどこ”だそう。


そういえばこんなチラシがカフェにありました。





ドミトリー形式の宿だそうです。一泊、なんと2500円!!!
外からちらりと見たけど、手作り感覚溢れる憩いのサロンの様な雰囲気。
次回、尾道に来たら、是非泊まってみたい宿!




手前の黒いしみは、ゆったり、まどろむねこの姿。
尾道の風景には欠かせない存在でした。